アメリと聞くだけで
赤や緑のイメージが
頭の中に浮かんでくる。
ヤン・ティルセンの
あの音楽も聞こえてくる。
可愛らしいのにやっぱり変で
まいってしまう。
アメリを観ると悔しくなる。
ふくらむ妄想も幸せなイタズラも
アイデアに溢れているから。
魔法がなくても
日常はファンタジー、
それに気づかせてくれるアメリ。
大好きです。
物語、登場人物、
インテリア、アングル、全てが美しい。
私は本作がきっかけで
フランス旅行へ行きました。
これもアメリが仕掛けてくれた
幸せな悪戯だと思います。
あの頃の自分に、あの頃のアメリに、もう一度出会える。
その出会いは自分の価値観と
可能性を大きく変えてくれた。
また再び、止まらないドキドキを体感したい。
「こじらせ女子」なんて言葉がなかった頃の、
幸せな個性のこじらせ方。
自信が持てない人でも
心の殻を破る勇気がもらえる映画です。
ある意味、最高のフード映画です。
クリームブリュレをスプーンでカチ割るのも、
さくらんぼを耳に掛けてイヤリングにするのも、
フランボワーズを指サックにして食べるのも、
全部アメリに教わりました。
10代の私にとっての『アメリ』は
オシャレでキュートな恋の映画でした。
40歳になった私の『アメリ』は
切なく深く愛しい人間たちの映画になっていました。
小学生の時、奥の部屋のドアに
深緑の『アメリ』のポスターが貼ってあった。
「魔法使いかな?」と中学生になって映画を見ると、
それは手作りの魔法を教えてくれた。
パリのオレンジ色の夕方のような。
大人の毎日は
味の薄いスープに似ている。
しかしほんの少しの嘘や
工夫をスパイスに
とびきり美味しくすることができるのだ。
きっと彼女はそれを
誰よりも理解している。
めまぐるしく変化していく世界から、
どんなピースを集めて人生を彩りましょうか。
夢中でいれば、世界がちゃんと運んでくれる、
そんな魔法が詰まった映画だと思います。
学生時代、理解できない自分が悔しく
何度も見返した思い出の映画。
私にも私だけの特別な世界があり、
それがお仕事に繋がっている事に気づけた時は
幸せを感じました。
誰かの日常を少しだけ幸せにすること。
それは彼女にも、とっておきの小さな幸せ。
積み重ねた小さな悪戯が、
特大の幸せになって
彼女のもとにやってくることを願わずにいられない。